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保存?廃棄?契約書の適切な保存と法的要件を徹底解説|Vol.109

保存?廃棄?契約書の適切な保存と法的要件を徹底解説|Vol.109

2023年8月7日

契約書は、取引の約束や合意を明確に示す公式な文書であり、その存在はビジネスの安全と透明性を保証します。しかし、契約書の管理には独自の問題点が伴います。例えば、どれほどの期間、その契約書を保管すべきなのか、また保管する際の法的な要件は何か、デジタル時代における電子文書の保存はどのように行えばよいのか、といった疑問が生まれます。この記事では、契約書の保存に関連するこれらの課題を詳細に探るとともに、効果的な保存方法や注意点を解説します。法的な側面からの視点や、現代の技術を最大限に活用した保存方法など、契約書管理のノウハウを包括的に学ぶことができます。

はじめに

契約書の重要性の説明

契約書は、双方の権利や義務、取り決めを明文化するもので、ビジネスや私生活での取引を明確かつ円滑に進めるための基盤となります。それにより、誤解やトラブルを予防し、安心して取引を進めることができるのです。例えば、賃貸契約や業務委託、さらには結婚の際の婚姻契約など、日常生活においてさまざまなシーンで契約書に接する機会があります。

保存に関する問題点の紹介

契約書を保管する際には、いくつかの問題点が浮上することがあります。具体的には、

  • いつまで保存すべきかの判断
  • 紙ベースの場合の劣化や紛失のリスク
  • デジタルデータの場合のデータ破損やセキュリティの問題

といった点が挙げられます。これらの問題を適切に対処することで、契約書の価値を最大限に活かすことができるのです。

契約書保存の法的基盤

日本の法律における契約書の保存義務

日本においては、さまざまな法律が企業や個人に契約書の保存を求めています。たとえば、税務に関連する法律では、契約書や取引の証拠書類を一定期間保存することが義務づけられています。この義務の背景には、税務当局が必要に応じてこれらの書類を確認できるようにするという意図があります。

  • 所得税法:必要な帳簿や書類の保存期間は7年
  • 消費税法:取引の証拠となる書類の保存期間は5年

上記は一例であり、業種や取引の内容によっては、他の法律に基づく保存義務や期間が設けられている場合もあります。

その他の国や地域の保存年限との比較

国や地域によっては、契約書の保存に関する法的な要件が異なることがあります。例として、

  • アメリカ:多くの州で商業文書は最低5年間の保存が求められる
  • イギリス:会計書類や関連文書は最低6年間保存すべきとされる

このような国際的な比較を知ることは、国際的なビジネスを展開する企業や個人にとって特に有用です。国や地域によってルールが異なるため、適切な管理が求められます。

なぜ保存年限が必要なのか

法的なトラブル回避

契約書は、当事者間の約束や取り決めを形式化したものであり、万が一トラブルが発生した際の最も確かな証拠となります。例えば、取引内容についての誤解や不一致が生じた場合、過去の契約書を確認することで正確な事実関係を明らかにできます。

  • 紛争時の証拠提出
  • 過去の取引内容の確認

これにより、無用な争いを避けることができるだけでなく、正確な解決を迅速に進めることができます。

企業としての信用維持

契約書の適切な保存は、企業としての信用やブランドイメージを維持する上で欠かせない要素です。顧客や取引先からの信頼を得るためには、契約内容を適切に管理し、必要に応じて過去の取引内容を確認できる体制を整えることが求められます。

  • 透明性の確保
  • 顧客からの信頼獲得

税務調査や監査対応

企業活動においては、税務当局や監査法人からの調査・監査が実施されることがあります。この際、過去の取引内容や金額を証明するために、契約書や関連する書類が求められることが一般的です。

  • 税金計算の正確性を証明
  • 内部統制の適切性を確認

適切な期間、契約書を保存することで、これらの調査や監査に迅速かつ適切に対応することができます。

具体的な保存年限

契約書の保存年限は、取引の内容や業界、使用する書類の形式などによって異なります。ここでは、一般的な商取引や特定の業界・取引、そして電子文書としての保存について、その特徴と保存年限を解説します。

一般的な商取引に関する契約書

商取引全般を対象とした契約書の保存について、基本的な保存年限は以下のとおりです。

  • 商品の売買契約書: 5年
  • サービス提供契約書: 7年
  • 長期間にわたるリース契約: 10年

但し、これらは一般的な目安であり、具体的な取引内容や契約条件によって保存期間が変わることもあります。

不動産取引や金融取引など特定の業界・取引における特例

特定の業界や取引では、一般的な商取引とは異なる保存年限が設定されていることが多いです。

  • 不動産売買契約書: 10年
  • 株式の売買契約書: 7年
  • 金融商品取引契約書: 5~10年(商品やサービスによる)

これらは、それぞれの業界の法的要件や実務上の慣行に基づいて設定されています。

電子文書としての保存の場合

近年、デジタル化の進展に伴い、電子文書としての契約書保存が一般的となってきました。電子文書として保存する場合の注意点や年限は以下の通りです。

  • 原則として、紙の契約書と同じ期間保存
  • データの破損を防ぐためのバックアップが必要
  • 電子署名やタイムスタンプを用いた証明が求められる場合がある

電子文書の保存は便利ですが、データの完全性や信頼性を維持するための対策が必要となります。

保存のコツとオススメの方法

契約書は企業や個人の重要なビジネス履歴の証となります。したがって、その取り扱いと保存方法は非常に重要です。このセクションでは、初心者でも実践しやすい契約書の保存に関するコツと推奨される方法を詳しく解説します。

基本の保存ルール

保存する前の整理が重要です。整理されていないと必要な時に該当する契約書を探すのが困難となります。

  • 日付順整理: 契約日や更新日を基準にして、古いものから新しいものへと順番に並べる。
  • 場所の選定: 書類を保存する場所は湿度や温度が安定していること。紫外線や直射日光を避けることで色褪せや劣化を防げます。
  • ラベリング: どのような内容の契約か、保存期限はいつまでか、一目でわかるようにラベルをつける。
  • 定期確認: 保存している契約書を定期的に確認し、不要なものや期限切れのものは適切に処分する。

紙ベースの契約書保存

物理的な書類の取り扱いには特別な注意が必要です。

  • 耐火性キャビネット: 火災のリスクを考慮して、耐火性のあるキャビネットやセーフでの保管を推奨。
  • 書類の保護: クリアファイルや特製の封筒を使用して、書類の損傷や汚れを防ぐ。
  • セーフティボックス: 特に重要な契約や機密性の高い情報は、セーフティボックスに収納して盗難や紛失を防ぐ。

デジタル保存のメリット

近年は電子データとしての保存が増えてきており、その利点は数多くあります。

  • スペース節約: 物理的なスペースをとらず、大量の文書を保存可能。
  • 検索性: 文書の中身やタイトルをキーワードで検索して、必要な契約書を素早く探し出せる。
  • アクセス性: クラウドストレージを利用することで、場所を選ばずアクセス可能。
  • 自動バックアップ: データの喪失リスクを減少させるための自動バックアップ機能。

デジタル保存時の注意点

デジタル保存も完璧ではなく、注意が必要な点が存在します。

  • データ破損: ハードドライブの故障やウィルスによる破損リスク。
  • フォーマットの問題: 古いフォーマットのデータが新しいシステムで読み込めなくなる可能性。
  • セキュリティ: データの暗号化やアクセス制限を設定し、不正アクセスや情報漏洩を防ぐ。
  • 法的要件: 電子署名やタイムスタンプを使用して、文書の真正性や変更履歴を保証する必要がある場合もあります。法律によっては、紙のオリジナルが求められることもあるので、電子文書の保存に際しての法的要件をしっかりと確認すること。
  • バージョン管理: 契約の修正や更新を行う際、前のバージョンとの違いを明確にするための管理システムの導入。
  • 定期的な確認: 保存している電子データが正常に開けるか、定期的に確認を行い、データの健全性を確保する。

6.保存期間が過ぎた後の取り扱い

契約書の保存期間が終了した後、単に放置するだけでは不十分です。廃棄する場合の注意点、個人情報や企業の機密情報の適切な取り扱い方法、そして廃棄の際の正確な記録方法など、後処理には様々な要点が存在します。ここでは、これらの要点について詳しく解説します。

契約書の廃棄方法

契約書を安全に廃棄するための方法を考えるとき、紙の契約書と電子文書とで異なるアプローチが必要です。

  • 紙の契約書: シュレッダーを使用して、文書を読み取り不可能な状態にします。大量の契約書の場合は、専門の文書廃棄業者に依頼するのも一つの方法です。
  • 電子文書: データの完全削除ソフトウェアを使用して、文書を復元不可能な状態にします。物理的なディスクの場合、ディスクを物理的に破壊する方法もあります。

プライバシーや機密情報の取り扱い

廃棄する前の契約書が含む情報の中には、個人のプライバシーや企業の機密情報が含まれる可能性があります。これらの情報は適切に取り扱われる必要があります。

  • 情報の確認: 契約書の内容を確認し、機密情報や個人情報を含むものは特別に取り扱う。
  • 情報の分離: 機密情報や個人情報を含む文書は、他の一般的な文書とは分離して廃棄する。

廃棄時の記録の取り方

契約書を廃棄する際、どの文書をいつ廃棄したのか、という情報を記録しておくことは非常に重要です。

  • 廃棄ログの作成: 廃棄した日付、文書の種類、廃棄した人の名前などの情報を含むログを作成します。
  • 保存期間: この廃棄ログ自体も一定期間保存する必要があります。法的要件に従い、適切な期間ログを保存してください。

保存期間を過ぎた契約書の取り扱いは、組織や個人の信頼性、プライバシーの保護、そして法的責任を考慮する必要があります。適切な手順と注意を払うことで、これらのリスクを最小限に抑えることができます。

7.まとめ

契約書の保存に関する知識と実践方法を学び終えた今、重要なポイントを再確認し、これからの契約書管理の方向性について簡潔に触れてみましょう。

保存年限の守り方とその重要性の再確認

契約書の保存は、単なる文書管理以上の意味があります。それは企業としての信用維持や法的トラブルを避けるため、そして税務や監査への対応といった、実務上の多くのシチュエーションでの重要性が背景にあります。

  • 法的基盤の理解: 日本の法律や国際的な法律に基づく保存義務の存在を再認識しましょう。
  • 保存期間の遵守: 一般的な商取引から特定の業界まで、それぞれの契約書に適した保存年限を守ることが求められます。

今後の契約書管理の方向性や推奨事項

技術の進化や法律の変更に伴い、契約書の保存方法も変わる可能性があります。デジタル保存の普及やクラウド技術の利用が増える中、適切な保存方法の選択が更に重要となってきます。

  • 技術の活用: デジタル保存の利点を最大限に活用し、安全性や利便性を追求しましょう。
  • 継続的な見直し: 状況や技術の変化に合わせて、保存方法やルールを定期的に見直すことが推奨されます。

契約書の保存とその取り扱いは、ビジネスの基盤とも言える部分です。この知識を持ち、実践することで、企業や個人としてのリスクを最小限にし、安心して取引や業務を進めることができます。

 

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