近年耳にする機会が増えたワードの一つ、フィンテック(FinTech)。金融機関におけるIT化の動きはこれまでメガバンクを中心に進められてきました。
比較的フィンテックに対して柔軟な対応を示したメガバンクに対し、変化の波についていけていないと指摘されていたのが信用金庫です。
信用金庫は、優良顧客の基盤をGNP(義理・人情・プレゼント)で維持してきた、と言われるほどにリアルの人脈を重視する傾向にありました。
その流れが変わったのは2017年のこと。しんきん情報センターが「オープンAPI共通基盤」構築計画を打ち出したのです。
今回は、オープンAPI共通基盤の構築に伴う信用金庫のフィンテック導入と、今後求められる文書管理の在り方について解説します。
信用機関とフィンテック企業を繋ぐ「オープンAPI共通基盤」とは
全国264の信金のネットワークシステムの運用を行っているしんきん情報システムセンター(SSC)が2017年に打ち出した「オープンAPI共通基盤」の構築プランは、日本の金融業界におけるフィンテックの動向を大きく左右すると一時期話題になりました。
従来、信用金庫においてフィンテック企業の各種サービスを提供するためには、各行それぞれが口座情報を提供するための契約を結ぶ必要がありました。
また、インターネットバンキングのパスワードなども、利用者の了解を得てからフィンテック企業に提供する必要があり、情報漏れなどセキュリティ上のリスクが高いという指摘もあり、改善が求められていました。
2017年4月7日にプレスリリースで発表された「オープンAPI共通基盤」の構築計画は、そういった問題点を改善する施策であったといえます。
お客様が利用する様々なフィンテック企業のサービスと信用金庫との間をオープンAPIで接続することにより、より安全かつ効率的に情報をやりとりできるようになると、どうなのでしょうか?
信用金庫に預けられている個人預金の合計は2016年9月末段階で約107.5兆円とされていました。これは、メガバンクトップの三菱東京UFJ銀行の71.2兆円を上回る額であり、日本のフィンテック普及に大きなインパクトを与えることが期待されました。
またフィンテックは以下の10分野に分かれているため、今後信用金庫においても様々な契約が電子上で完結でき、文書管理の電子化も進むことが想定されました。
- キャッシュレス決済
- 仮想通貨
- 投資・資産運用・ロボアドバイザー
- クラウドファンディング
- ソーシャルレンディング
- 融資
- 保険
- 送金
- 金融情報
- PMF(個人財務管理)
オープンAPI導入後5年近くが経った現在、連携企業の数はまだ10社程度とそこまで規模は拡大していませんが、今後のフィンテック推進に向けての土台ができた点は大きいといえるでしょう。
信用金庫におけるフィンテックの推進と文書管理の課題
今後信用金庫に対してフィンテック企業がますます参入していくとすると、より多様な契約書を電子上で取り扱うことになります。文書管理の省スペース化という点においてはメリットといえるでしょう。
しかしその反面、金融機関では紙媒体でなくては管理できない内容の書類も多いため、管理体制が非常に煩雑になりやすいという課題があります。
支店ごとのローカルルールが存在しているケースもあり、本店・支店で統一された文書管理を行うのが難しいというのが実情です。
そのため画一的なシステム導入では不十分なことがほとんどのため、特に金融機関において文書管理の体制を見直す場合は文書管理の専門業者に相談頂く方が、最終的なコストが安くすむようです。
業者の選定基準としては
- すでに銀行での導入実績が複数あり、高い評価を得ていること
- セキュリティ面において、プライバシーマークやISOの取得ができていること
- 現場の状況に即した運用や維持まで一貫してコンサルティングしてくれること
上記3点を満たしていれば、ご満足いただける結果が出やすいかと存じます。
私どもSRIは、機密文書の管理に特化した専門会社として、プライバシーマークやISO9701・27001を取得し、様々な業種・業態の企業様の現場に合わせた契約書管理のソリューションを提案して参りました。
過去に手掛けさせていただいた秋田銀行様や東邦銀行様など様々な金融機関の現場の皆様からは「SRIさんにお願いしてよかった!」とお喜びの声を多数頂いております。
その他、ホームページではほかの金融機関様も含めて様々な導入事例をご紹介しておりますが
「自行とSRIの文書管理が合うのかが分からない」
「実際どのくらいのコストがかかるかを知りたい」
といったご要望がございましたら、ぜひお気軽にお問い合わせくださいませ。
- 業務効率化やガバナンス強化のため、支店や倉庫含めた全体の契約書サイクルを見直したい
- 文書管理を見直そうという動きが出ているが、どんな方法や管理システムがあるのか知りたい
など、それぞれのフェーズに合わせた情報提供やプランのご提案をさせて頂きます。