人口減・一極集中などを要因とした地方の過疎化は、様々な状況や課題を生み出しています。
解決が必要な諸問題は多くありますが、その中で重要視されているひとつが「空き家」問題です。
地域の過疎化とともに深刻となっている空き家問題は、防災や生活環境の面からも対策が求められており、政府・地方自治体あわせて問題解決に取り組んでいます。
空き家問題を解決するためには、過疎化が進まないよう空き家の活用や地方への移住促進が必要でありそのための法整備や生活における環境整備が必要です。地方移住における
課題は人々の生活を支える仕事ですが、そのなかでキーポイントとなるのがテレワークの促進となります。
この記事では、空き家についての状況を踏まえて課題の解説や、地方移住におけるテレワークの促進とその関係性について紹介していきます。
空き家の状況や問題点
総務省が発表した調査では1988年に約576万戸だった空き家の総数が2018年には849万戸と1.5倍に増えています。
最近では過疎地域における空き家問題も深刻ですが、政令指定都市など比較的人口が多かった地域でも空き家の件数が急速に増えているのが現状といえます。
空き家が増えている主な原因として、人口減・高齢化が進むなか団塊世代の相続が進んで空き家が増えていること、また空き家の所有者が管理・活用に問題を抱えていることで
す。
また、老朽化した家屋が地域にあることによる安全性や景観における環境面等も問題視されています。
空き家問題が進んだ理由
空き家は、修繕やリノベーションなどですぐに住めるものもありますが相続などの後、誰も住まなければ老朽化が進むことで対処が難しくなります。
持ち主が対処しにくい原因として費用の問題、法律の問題があるというのが大きな要因です。
家屋を壊して更地にするためにも費用がかかること、また更地にしたあとの固定資産税は、壊す前よりも高くなる場合があるため、多くの持ち主は放置する場合が多くなります
。
また、権利者が複数の場合の処分には同意や手続きが煩雑さなど、法律的な問題がネックです。
高齢化における人口減や一極集中は、空き家問題における根本原因ですが、さらに進んだ理由として費用の問題や法律という課題が浮き彫りになっていました。
政府や自治体の対応
これまでは、過疎化が進んできている自治体が空き家活用を地方創生の観点で捉え条例で対処していましたが、国も連携し過疎化における空き家問題を対処しています。
これまでの問題点を解消するためにどのような対応がとられているのか紹介します。
空き家除去への対応
前記したとおり誰も住んでいない空き家が費用や法律がネックとなって問題を進めてしまう側面がありました。
そこで政府は2015年に「空き家等対策推進特別措置法」を制定し、空き家に対して立ち入り調査や除去などの関与が可能になったとともに財政支援の制度も整えています。
費用や法律が原因となっている老朽化した家屋などを、除去しやすい状況ができ問題解決の対応をしたということです。
「空き家等対策推進特別措置法」制定後は一定以上の成果を上げています。
空き家の利活用
安全面や防災面、環境面で問題がある家屋撤去の対応とともに空き家の利活用は大きなポイントです。
空き家を利活用するためには、売却や賃貸を希望する人と利用を希望する人の効率的なマッチングが不可欠になります。
そこで国土交通省は「空き家バンク」制度を立ち上げ、利活用を促しています。
空き家バンクとは、自治体が管理する空き家のデータベースを活用し、ホームページ上で利活用希望者に情報を提供するサービスです。
昨今では、「新型コロナウィルス」の影響により都市部から地方移住を希望するする人も多くなっていることもあり、さらなる空き家バンクの活用も見込まれています。
地方移住におけるテレワークの導入とその関係性
空き家問題を解決するには、移住を促進していくことが不可欠です。そのためのポイントとして「テレワークの導入」が重要視されています。
多くの企業が都市部に集中していますが、地方に生活していても仕事ができるということが移住のためには不可欠ということだからです。
今後、情勢の変化や政府と自治体が進める地方活性化の政策は進んでいくので、空き家への移住を促進していく流れはさらに進むことになります。
多くの人が移住を希望することも考えられるということです。
そのためには、テレワークの導入が不可欠となり、政府は重要事項として捉えるということになります。
また、地方移住だけではなく、働き方改革や新型コロナウィルスによる情勢の変化で企業のテレワーク導入は、無視できません。
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